ヨガ、エアロビクス、気功。学んだことがフラに活かされている。

私はフラに出会う前、ヨガとエアロビクス、気功を学び、教えていました。ヨガを始めたのは自然食の店をやっていた母の勧めです。東京でヨガを学び、80年代にはエアロビクスのロサンゼルス留学ツアーに参加。日本に戻ってからも運動力学や解剖学を勉強し、インストラクターの資格を取りました。気功を始めたのは家族の病気がきっかけです。現代医学とは違う方法で何かできることはないか、と考え、中国の元首相に付いていた先生に指導を受けました。
ヨガもエアロビクスも気功も、すべてからだと心が健やかにあるための道筋です。方法は異なりますが、それは頂点へ向かう登り口が違うだけのこと。得た知識や経験は、フラを踊る上でも役立っています。

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ハワイ文化の継承者、クム・ナラニ・カナカオレのもとへ。

フラとの出会いは、姉に勧められて行ったフラの発表会でした。フラに関する知識はまったくありませんでしたが大きな衝撃を受け、まず東京の教室へ通い、さらにハワイへ。さまざまな指導者の方たちとの出会いを経て、クム・ナラニ・カナカオレの門を叩きました。
ハワイ文化の継承者であるクムは、私が憧れ、理想とするフラのすべてを持つ人です。ハワイ文化や歴史に関して広く深い知識を持ち、ALOHAの心(感謝・調和・人へのやさしさ・謙虚・成長を待つ忍耐強さ)を体現しています。力強く繊細で表現力豊かな踊り、やさしく鋭い眼差しにも惹きつけられました。クムはハワイ在住の人以外には門戸を開かないと聞いていましたが、私はどうしても彼女に教えを乞いたかったのです。一度は断られたものの、熱意が通じて日本人で初めて直接指導を受けることができました。今も定期的にハワイ島ヒロで指導を受け、クムを招いてMakani ‘olu’oluでのレッスンをお願いしています。

自然や先人たち、出会ったすべての人への感謝と愛を伝える。

フラは、大自然への敬意や神々の言葉を伝えるための踊りです。フラに込められた精神、ALOHAの心(感謝・調和・人へのやさしさ・謙虚・成長を待つ忍耐強さ)が、国籍を超えて多くの人を惹きつけるのでしょう。
フラに出会って、それまでの私に足りなかったのは感謝や愛の発信だったのではないか、と気づきました。踊っていると、出会ったすべての人たち、自然や先人たちへの感謝の気持ちが溢れ、涙が流れます。フラを学ぶ人たちのために力を尽くすことが、私を導いでくださった方たちへの恩返しです。私のフラを見て感動した、と言ってくださる方のためにも、能力の限界を決めることなく学び続けたいと思っています。

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